匿名希望さん 男性 37歳
なんだかいかにもこのコーナーらしく辛辣な意見が目立ちますし、「まあそうかもな」とうなずく部分もないではないのですが、ちょっとあまりにも……という感じもしますので、男性側からの意見も少々。
ここを見ていると、女性のほうがすごく現実的に結婚生活の安定を求める傾向が強いように思います。一方男性は、「それはそれとして、互いにハッピーならよくね?」くらいのリラックスムードの方々も多く見受けられます。なので、この手の質問の場合、女性側の意見だけ見ていると、もう完全に出口のない迷路に迷い込んで右往左往するしかないような感じがしてきてしまいます。
私は何人も会ってきましたが、「それなりの役職できっちり働いて育休ちゃんと取れて……」みたいなアラサー、アラフォー女性のほうが少数だと思います。2018年の統計で女性の55.8%は非正規労働者です。残り44.2%の正規雇用者がみな役職に付いたりホワイト企業に勤めたりできるわけではないですから、「30代半ばならそれなりのポジションで働いている人が多数」というのは、ちょっと調べれば分かりますが、まずありえません。超主観的にものをとらえている方なのか、それとも説教したいだけの方なのかは分かりませんが、書いてらっしゃることはあまりに脳内ソースすぎる大間違いです。
「34歳ならば出産できないかもしれない」はそのとおりですが、世の中には「子供いらんからパートナーほしい」みたいな夫婦、いわゆるDINKSも少なくありません。なので、お互い「できなかったらしょうがない」を前提に進むことができれば、そんなに狭き門ではないと思います。僕もそんな感じです。「癌の罹患率が上昇してて、今後の少子化で若い世代にかかる負担がハンパない。オマケに収入なかなか増えないのに増税ラッシュでマジ不安」みたいな状況で、責任持って子供を作るなんていうことはなかなか言えません。アラフォーくらいになると、ちゃんとDINKSも視野に入れている謙虚な男性も、少なくないですよ。
十数年前からDINKSは増加傾向であり、共働き家庭約1,300万世帯を対象にした約2年前の統計では、31.6%にものぼる413万世帯がDINKSでした。このすべてが「高収入だけどモテない男子と、ルックスだけはいい無職女子」と言うのは、さすがにファンタジーにもほどがあるというか、現実を知らなすぎだと思います。
現実的にものを考えるのは大事なことだと思いますよ。でも「それ以外は死と同じ」みたいなものの考え方は、さすがに愚かしいでしょうし、差別やヘイトにも似た性根の悪さすら垣間見えます。そんな心無い言葉を見ず知らずの他人に投げつけられる、ご自分の知性のなさを恥じてはどうかと思います。周囲を見て、餓死したりホームレスになったりしてる夫婦がどれだけありますか? すんごく貧しくても子育てしながら幸せそうにしてる夫婦なんて、掃いて捨てるほどいるでしょう。無論、いいほうばかりを見て「じゃあ俺もだいじょぶだろ」などと考えるのはあまりに楽天的でしょうけど、ダメなほうばかり見るのも同じくらいどうかと思います。
共同生活は、工夫の連続だと思います。「互いにこれだけ条件そろってりゃ大丈夫」なんてものではなく、どんな条件同士でくっついても、工夫なくしては成立しないものでしょう。それは、一見低スペックの者同士でも同じこと。工夫次第では乗り切れるものです。工夫ができず破滅するのは、高スペック夫婦だろうと変わりません。互いにカードを出し合ったなら、そのカードでどんなことが叶えられるのかを、そこで初めて考えればいいのだと思います。
なにはともあれ女性側の立場から、あたかも男性を代表するかのように、偏った価値観を披露するのはやめてください。