匿名希望さん 男性 57歳
人格障害はA群、B群、C群と3つのグループに分けられています。
このご相談に登場するような「自己愛性人格障害」は、人格障害の中でも最も症状の深刻なすB群に属しています。
ちなみにB群には他に3つの人格障害があります。
1.境界性人格障害(思春期に発症することが多い)
2.反社会性人格障害(ほぼ治療は不可能と言われている)
3.演技性人格障害(詐欺師に多い)
そもそも人格障害というのは、人格の偏りが正常範囲を超えている状態の精神疾患です。
ただ、うつ病などのような精神疾患と決定的に異なる点は、うつ病はセロトニンやノルアドレナリンと呼ばれる神経伝達物質の失調で起こる精神障害なので、薬物治療で、たとえ一時的であっても抑うつ状態や過度な不安状態を改善できますが、人格障害はそのような神経伝達物質のアンバランスが原因で生じている疾患ではないので薬物治療はできません。
ただ治療方法がないわけではありません。
認知行動療法という心理療法を継続的に行うことが一番の治療法だと思います。
そもそも自己愛性人格障害の人は、内省、反省、つまり自分を省みるということをほとんどしないので、自ら自分のこころの問題に気づいて精神科医や心理士のもとを訪れるということをしません。だから治療が可能か不可能かという問題以前なのです。
だからまず彼らを治療の現場に連れて来る努力からはじめなければならないので、彼らの周囲にいる人たちの精神的負担は相当なものになると思いますよ。