匿名希望さん 男性 55歳
私はかつて20年ほど前鬱状態でした。しかも、白い妖精さんのお相手のように今でいう婚活をしておりました。
実は20代の頃からしばしば縁談がありましたが、遠方だったり多忙だったりで、お断りをしていました。
そうこうしているうちに縁談はなくなり、自分は仕事に命を吸い取られる様に少しずつ鬱状態になりました。
30代半ばで取り残された感覚を抱いた私は少し焦りつつ結婚相談所に登録してお見合いを始めました。
暗い表情の冴えない男なんて全く相手にされませんでした。
断り続けられ、自信がどんどんなくなっていき、鬱状態は悪化しました。
しかし、半年ほど経った時、隣県の方からお誘いがありました。
鬱ながらも嬉しかったので、お付き合いすることにしました。
遠方だったのでお付き合いに苦労しましたが、何回かデートしました。
しかし、ちょっとした行き違いがあって、お断りせざるを得なくなりました。
一気に、鬱状態は悪化して、結婚相談所への登録を解約しました。
その後、10年ほど暗い人生を歩みました。途中、数回、転職しましたし、1年ほど働かない年もありました。
当時の婚活の経験からして、相手から面と向かってあからさまに拒絶されるというのは非常に辛いもので、当然、鬱には決定的な悪影響を与えます。
鬱には深刻度によって症状が違いますが、白い妖精さんのお相手さんは、まだ仕事をしておられるので、鬱の中でもそれほど深刻ではないかも知れません。
私が鬱状態だったときは次のような感じでした。
本人は、自分の状態が異常であること、しなければならないこと(当然仕事のことも)、全部認識しています。
しなければならないことに対して、全くやる気が沸いてこないのです。
日常生活の些細な動作であってもやる気が出てこないのです。自分で自分の尻を叩きながら動くという感じです。
全部わかっているからこそ、それをわざわざ言って欲しくないのです。
頑張らなきゃいけないこともわかっているからこそ、いわれると「うるさい!」になるのです。
鬱の人は思考回路が空回りしているだけ状態なので、普通の人が考えていることは既に考え済みなのです。
考えていることを動作にできないもどかしい状態にあります。
日常生活の動作がおろそかになるので、身だしなみとか、部屋の片付けとか、色々がだらしなくなります。
そうこうしているうちに、何もできない自分の存在意義を否定的に考え始めてしまいます。
前置きが長くなりましたが、以上のような経験からして、私は次のように考えます。
白い妖精さんとお相手がどの程度の関係かわかりませんが、恐らく白い妖精さんは残念ながらお相手の精神科治療に積極的な関与ができない立場にあると推察します。
なので、白い妖精さんはつかず離れずそばで見守ってあげるだけで良いと思います。
毎日、「今日はどうだった?」、「そうなんだ」だけでも良いと思います。
あくまで、この時はこうするはずとか、こうすれば良いのにとか、そのようなことは本人は既にわかっているので、敢えて言わないようにした方が良いです。
心配かも知れませんし、早くよくなって欲しいと焦るかも知れませんが、回復するまで時間がかかることを覚悟して下さい。
その覚悟ができないと思うならば、そっと離れて行ってあげて下さい。
問題はお相手といつ結婚する様な関係になるかということですが、結婚自体が非常にストレスになるので急いで関係を詰めていくことは鬱を悪化させてしまうと思います。
少しずつお相手の家で身の回りのことをしてあげて帰ってくるというようなことを繰り返し、気がついたら同棲していたというような関係作りが負担が少ないような気がします。
結婚生活は細川貂々さんの「ツレがうつになりまして。」シリーズ(実話に基づくコミックエッセー)が参考になるかも知れません。
ただ、良いこともあります。軽い鬱の時の思考は反って活発です。
思考することを仕事としている人は、鬱の時に非常によい仕事をします。
夏目漱石や北杜夫などの小説家達も鬱の時によい小説を書いています。
僭越ながら私も鬱の時に多くの特許を書き、質の良いものが書けました。
鬱は思考的には少しでも触ると弾けるような非常にエネルギーに満ちた状態のような気がします。
鬱はあながち悪い状態ではありませんが、自己否定的になり始めると思考も極度に低下してしまいます。
鬱の治療薬が思考停止に導くこともあるので注意が必要です。
自己否定の先には自殺があるので、そこは的確に見つけてあげて下さい。
