恋するオトコのヒット法則

第1回:あなたの“恋の売り場”はどこにある?

自分の市場価値を広げる“ジョハリの窓”

みなさんは、「ジョハリの窓」という言葉を聞いたことがあるかな?
これはコミュニケーションを円滑にするために考案された理論で、提唱した二人の心理学者ジョセフ・ルフト とハリー・インガムの名前を組み合わせて、ジョハリと呼ぶ。まあ、バトミントン女子の強力なペアにオグシオ(小椋+潮田)がいたが、それと同じだな。
早速だが、図2をご覧あれ。自分自身で「自分」をどれくらい認識しているかどうか、また、他人が「自分」をどれくらい認識しているかどうか、という観点から、自己は「公開された自己 」「隠された自己」「無自覚な自己 」「未知の自己」の4種類に分類できる。そのうえで、コミュニケーションの円滑化には、「公開の窓」ができるだけ広いほうが良いと説いているのが「ジョハリの窓」理論なのだ。
これは恋愛にも当てはまりそう。偽りの自分像なんて、真剣に付き合っていれば必ず瓦解するもの。また、交際相手は君のことを理解しているのに、肝心の君自身が自分のことをわかっていないなんて、すごいイタイ感じだよね。やはり、「公開の窓」を通じて、恋愛は良い形で育っていくものではないだろうか。

では、どうすれば「公開の窓」を広げられるだろうか?
図を見れば一目瞭然だが、「自分自身で認識している⇔していない」を分ける縦線を右に動かして「盲目の窓」を狭めること(=①)と、「他人が認識している⇔していない」を分ける横線を下に動かして「秘匿の窓」を狭めること(=②)を同時並行でやらなくてはいってことは明らかだよね。
で、①を実現するためには、耳が痛いかもしれないが「他人が自分のことをどう見ているか」をフィードバックしてもらうことが肝要だ。そして②の実現には、本当は隠しておきたいネガティブな自分像をさらけ出す覚悟が求められる、というわけなのさ。

さて、以前に紹介した「性格タイプ別の恋愛相関図」では、「優等生」タイプの男性や「良妻賢母」タイプの女性が恋愛対象として不人気だったが、これらのタイプは4つの窓に当てはめると「隠された自己」に近い。もちろん根っから優等生・良妻賢母の人もいるだろうが、大半の人は「本当の自分を出していない。後から嫌な面が出てきそう」と直感的に避けているのだろう。
逆に、「包容力」男性と「癒し系」女性には異性からの人気が集中していたが、その背景には、いろいろややこしい世の中でストレスが溜まって「癒されたい」という気持ちが大きくなっていることがまず挙げられそうだが、それ以外の要因として「隠された自己」が大きく関係しているように思う。
人は大なり小なり「隠された自己」を持っている。相手に自己を隠しているのは主にネガティブに受け止められることを恐れてだろうが、もし露呈した場合でも「包容力」「癒し系」タイプならやさしく受け止めてくれそうという打算があるのではなかろうか。恋愛初期は実態以上に理想的に振舞いたいのが人情だが、メッキはいつか剥げる。長い目で見れば、できるだけ早くネガティブな面をカミングアウトすることも良縁には必要だ。それに、相手は自分の思っているほどネガティブには受け取らず、個性として肯定してくれるかも。

また、押しの強そうな「キャプテン」男性や「アネゴ肌」女性も相当に不人気だったが、その背景には「無自覚な自己」がキャプテン・アネゴ肌を無意識に避けようとする心理的メカニズムがありそうだ。どんな人でも多少の「無自覚な自己」を有しているものだが、それ故に「あなたは自分自身のことを何にもわかっちゃいない」とずけずけと指摘されるのは苦痛に他ならない。
でも、その指摘こそが「公開の窓」を広げてコミュニケーション能力を高める有効策になるのは前述の通り。恋愛力アップのためにむしろ、「キャプテン」「アネゴ肌」と積極的に付き合ってみてはどうだろうか。
要は、「○○タイプはどうも苦手」などと気後れせずに、ご縁があれば積極的にアタックすべし。
アタック成功率を高めるためには、自分自身への認識を深めておくことが基本中の基本。そして、そんな自分を好きになってくれる異性のタイプも理解しておくとさらなる成功率アップも期待できそうだ。

(編集:福田フクスケ、イラストレーター:ながれださわ)



プロフィール

ヨツモト先生
筑波大学大学院客員准教授。神奈川県横浜市生まれ。東京大学工学部化学工学科卒業。大手飲料メーカーを経て現在は大手広告代理店勤務。主たる専門領域は、消費心理・動向分析、地域ブランド開発、ワークショップファシリテーション。
ニシイ助手
大手広告代理店のマーケティング部門で、10〜20代の若年層を中心にしたプロジェクトメンバー。リサーチからプランニングまで幅広い商品開発やコミュニケーション戦略立案などを手掛ける。