恋するオトコのヒット法則

第1回:あなたの“恋の売り場”はどこにある?

女性はいま“包容力”を求めている

ヨツモト先生、大変です! いま、結婚したい男性が、なかなか女性との交際に発展できなくて悩んでいるみたいです!

なかなかモノが売れない時代だから、難しいよねえ……。

え、それって、恋愛が成立しにくいことと、何か関係があるんですか?

人の恋愛行動と消費行動はリンクしているんだ。たとえば新しい服が欲しいとき、自分の体型や予算をチェックしてから買う人、衝動買いしてから後悔する人、さんざん悩んで結局買わない人、いろいろいるだろ? その人の異性の選び方も、買い物の仕方とだいたい同じ傾向にあるんだよ。

なるほど~。昔と違って、今は消費者の価値観や好みも細分化していて、ヒットが生まれにくい状況ですからね。商品特性やターゲットを細かくリサーチしなければいけないのは、恋愛でも同じってことですか?

その通り! カップルがお互いの需要と供給で成り立っている以上、恋愛もひとつの"市場"と考えるべきなんだ。そこで"売れ筋商品"になるためには、マーケティング的な分析と戦略が必要不可欠。何もしないで出会いを待っているだけじゃ、鮮魚売り場で野菜を売ろうとしているようなものだよ。

自分がどんな商品で、消費者の女性が何を求めているのか知っておかないと、どこの売り場に行って、どんな売り方をすればいいかもわからないわけですね。

婚活サイト「youbride」では、最初に白河桃子さん監修の相性診断テストで、自分の恋愛傾向を診断するでしょう? これはつまり、自分の商品タイプを知って、どのフロアで売ればいいか案内してくれているわけ。

図1の「性格タイプ別の恋愛相関図」を見ると、人気のあるタイプ、相性のいいタイプが一目瞭然ですね。男性では「包容力」タイプ、女性では「癒し系」タイプに、異性からの人気が集中しています。

男女ともに、異性に"癒し"を求めている傾向がはっきりわかるね。現代人が自信やプライドを失っていて、承認欲求が高いことの表れだよ。みんな、包み込むように自分を肯定してくれる存在を求めているんだね。

つまり、男性は「包容力」タイプの性格に近付くように努力すれば、より多くの女性からモテるってことですか?

もちろん、そういった考え方もできるね。逆に、自分のタイプを好きになってくれる女性をターゲットに絞るのもひとつの方法だよ。たとえば「やんちゃ」タイプの男性が、人気のある「癒し系」タイプの女性をゲットするのは難しい。だから、自分を支持してくれる「天真爛漫」タイプの女性を選んだほうが、恋が成就する可能性は高くなるよね。

基本的に、恋愛では自分と似た性格の異性を好む傾向がありますからね。「やんちゃ」男性と「天真爛漫」女性、「包容力」男性と「癒し系」女性、「知的クール」男性と「クールビューティ」女性は、お互いに惹かれあい、比較的競合せずに付き合えるチャンスが多いということになりますね。

アイドルの売り方と同じだよ。AKB48のように、まんべんなく人気を集めるメジャーアイドルを目指す道もあるし、ももいろクローバーZのように、プロレスファンやアニメファンなどのサブカル層に深く愛される戦略もあるってことさ。

でも、男性の「優等生」「キャプテン」タイプと、女性の「良妻賢母」「アネゴ肌」タイプは、ともに異性からの人気が低くて、どのタイプからもあまり支持されていません。こういうときはどうすれば……?

従順な相手はつまらないし、厳しい相手は疲れそう、というイメージがあるみたいだね。でも、だいじょうぶ! タイプごとにかならず自分の魅力を発揮できる場面はあるよ。次回は、そのための"セールスポイント"をタイプ別に見ていこうか。

(編集:福田フクスケ、イラストレーター:ながれださわ)



プロフィール

ヨツモト先生
筑波大学大学院客員准教授。神奈川県横浜市生まれ。東京大学工学部化学工学科卒業。大手飲料メーカーを経て現在は大手広告代理店勤務。主たる専門領域は、消費心理・動向分析、地域ブランド開発、ワークショップファシリテーション。
ニシイ助手
大手広告代理店のマーケティング部門で、10〜20代の若年層を中心にしたプロジェクトメンバー。リサーチからプランニングまで幅広い商品開発やコミュニケーション戦略立案などを手掛ける。