白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

サイエンスカフェは最終回。今回は日本医科大学大学院教授の佐久間康夫先生をお招きしました。脳と性ホルモンの専門家である佐久間先生に、男脳と女脳の違いや恋愛と脳との関係、性ホルモンの役割などについて、やさしく解説していただきました。

第4回 草食化する男性、高学歴の女性の恋愛は?

白河さん 女性が男性を選んだっていい。

佐久間先生 生物学的には雌がイニシアティブがとるのが当然でしょう。女性は妊娠したら、3年くらいは育児に専念しなかえればならないわけだから、男性選びには慎重にならざるを得ない。だから女性は、積極的に声をかけて当然です。

白河さん 動物は雄のほうが派手で、踊りを踊ったり歌を歌った入りして「俺は優秀なんだ」と見せびらかしますよね。雌が着飾るのは人間だけ。ところが最近は男性も華美になって、つけまつげを付けたりしています。

佐久間先生 ルネサンスの頃は、男のほうが着飾ってましたよ。

白河さん いずれそういう文化が訪れることがあるかもしれない。その日のために男性も磨いておいがほうがいいかも。

佐久間先生 外観からの刺激は大切ですよ。あと男性の場合は、男性ホルモンの量が高いときのほうが、目くらましになって、好きになってもらえる確率が高まります。

白河さん 女性は一定の間隔で排卵が起こり、性ホルモンが周期的に変化しますよね。排卵の直前にエストロゲンの量が高くなり、魅力も高まる。男性にも男性ホルモンの高い時期、低い時期があるんですか?

佐久間先生 男性は連続的に精子が作られて常時発情状態にあるため、性ホルモン量はだいたい一定しています。ただし分泌量は27~28歳がピークで、そこからだらだらと下がっていき、個体差はありますが、50歳くらいでがくっと減ります。

白河さん いわゆる男性更年期ですね。

佐久間先生 男性ホルモンには食べ物が影響するんですよ。ドーパミンやテストステロンを作るにはタンパク質が必要です。それから「にんにくや玉ねぎを食べていると、年をとっても男性ホルモンの量が減らない」と言う先生もいます。草食男子が増えているといわれるけれど、若いのに枯れている男性は、肉だの玉ねぎだのをばりばり食べて、という生活をしていないのかもしれない。

白河さん 自分が枯れてきたと思う人は、肉や玉ねぎを食べなさいと。

佐久間先生 女性はダイエットしたりすると最悪です。実習で学生を検査すると、貧血の女性が非常に多い。体にある程度の脂肪がついていないと、それこそ性ホルモンは出てこないし、月経周期も乱れちゃう。そういう意味では、きちんと食べて、きちんと寝るという、ごくごく普通の生活が重要です。

白河さん それはすごくいいヒントですね。恋愛しようと思ったら、きちんと食べてきちんと寝なさいと。

佐久間先生 週末は仕事を忘れてきちんと休む。それで吊り橋の代わりにジェットコースターに乗って、手を握ってきゃーって言うのが、案外効果あるんですよ。

白河さん 自分が枯れかかっていると感じている男子、女子は、まず生活を正していく。

佐久間先生 そう。デートで食べに行くところも、品のいい和食じゃなくて焼き肉にしなさい!

白河さん 草食男子が肉食男子に変わるかも?(笑)

佐久間先生 本当は、草食動物のほうがセックスにはどん欲なんですけどね。肉食動物にどんどん食われちゃうから、どんどん子どもを作る。人間は、とって食われなくなったから、子作りに励まなくなったんだよね。

白河さん 今は婚活パーティー、ネットと、出会いの場がセットされていて恵まれている。でも、そういうところに出ていっても、みんな次が続かない、恋にならない。恋になるだけのエネルギーが、男女ともにとても低い気がします。もう一度「健全な肉体に恋愛は宿る」ことを思い出して、元気になってほしいですね。今日はありがとうございました。



今週の気になる「お言葉」
もっとメディアが声を大にして、「女の子に振られたっていいんだよ」「女の子だって遠慮しないで声をかけていいんだよ」と、宣伝をしてほしい。

男性ホルモンには食べ物が影響するんですよ。ドーパミンやテストステロンを作るにはタンパク質が必要です。それから「にんにくや玉ねぎを食べていると、年をとっても男性ホルモンの量が減らない」と言う先生もいます。草食男子が増えているといわれるけれど、若いのに枯れている男性は、肉だの玉ねぎだのをばりばり食べて、という生活をしていないのかもしれない。

女性は妊娠したら、3年くらいは育児に専念しなかえればならないわけだから、男性選びには慎重にならざるを得ない。だから女性は、積極的に声をかけて当然です。

週末は仕事を忘れてきちんと休む。それで吊り橋の代わりにジェットコースターに乗って、手を握ってきゃーって言うのが、案外効果あるんですよ。





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白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



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佐久間康夫
日本医科大学大学院 医学研究科システム
生理学分野 教授

1975年、横浜市立大学大学院医学研究科生理系修了(医学博士)。群馬大学助教授、ロックフェラー大学准教授、新潟大学助教授、弘前大学教授を経て、93年より日本医科大学教授、医学部生理学(システム生理学)講座の主任を務める。専門は生殖生理学、神経内分泌学、行動神経科学。エストロゲンをはじめ性ホルモンと脳、性行動との関連性、脳の発達と性分化などについて研究を行っている。
http://www.nms.ac.jp/nms/seiri1/