白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

サイエンスカフェは最終回。今回は日本医科大学大学院教授の佐久間康夫先生をお招きしました。脳と性ホルモンの専門家である佐久間先生に、男脳と女脳の違いや恋愛と脳との関係、性ホルモンの役割などについて、やさしく解説していただきました。

第4回 草食化する男性、高学歴の女性の恋愛は?

佐久間先生 僕は1946年生まれで、戦後民主主義が最も肯定的に受けとめられた時代に教育を受け、男女平等を叩き込まれている。今の若い人のほうが保守化しているのは、教育が変質してしまったせいなのかもしれないですね。

白河さん ただ「家に入りたい」という女性が増えている一方で、「俺は家父長だ」という男性はきれいにいなくなった感じがします。

佐久間先生 みんな責任放棄しちゃったわけだ。黙ってついてこい、なんていう男はいないわけだ。

白河さん そうなると女性は「幻の男性」を求めているのかもしれません。女性にはまだ本能が残っているのかなと思うのは、子どもが生まれたら経済的にも体力的にも、自分を守ってくれる雄がいいという気持ちに揺るぎがなんですね。経済的に求めても無理と言うと、リードしてくれる人、力強く導いてくれる人がいいと。そこだけは譲れないという人が多いですね。

佐久間先生 高学歴化したことで、行動が慎重になっているのではありませんか。

白河さん そうですね。女性は高学歴化し、男性は草食化したということで、恋愛に入りにくくなるという話はあります。

佐久間先生 失恋するのが怖いから声をかけられないんですよね。

白河さん 失敗が怖いというのは、人間だけの気持ちですよね。動物はとにかく頑張るじゃないですか。

佐久間先生 そうですね、とにかく手を出してみる。

白河さん 振られても振られても、求愛のダンスを踊る姿が、すごくいじらしくて(笑)。人間には、ああいういじらしさはなくなっちゃったのかな。

佐久間先生 実物がだめだったらゲームかなんかで代償して、満足しちゃうところがあるのかもしれません。

白河さん バーチャルな世界の中で満足して、現実世界に出てこない?

佐久間先生 これが本当になったらいいなという願望はあっても、どうやって現実の世界に移行していいのか、わからないんじゃないかな。だからもっとメディアが声を大にして、「女の子に振られたっていいんだよ」「女の子だって遠慮しないで声をかけていいんだよ」と、宣伝をしてほしい。





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白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



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佐久間康夫
日本医科大学大学院 医学研究科システム
生理学分野 教授

1975年、横浜市立大学大学院医学研究科生理系修了(医学博士)。群馬大学助教授、ロックフェラー大学准教授、新潟大学助教授、弘前大学教授を経て、93年より日本医科大学教授、医学部生理学(システム生理学)講座の主任を務める。専門は生殖生理学、神経内分泌学、行動神経科学。エストロゲンをはじめ性ホルモンと脳、性行動との関連性、脳の発達と性分化などについて研究を行っている。
http://www.nms.ac.jp/nms/seiri1/