白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

今回のテーマは「理数婚活のススメ」。奈良先端科学技術大学院大学の博士課程に在学しつつ、「席替えシステム」を活用した婚活サービスを提供するベンチャー企業の社長でもある黒岩将さんを招き、科学を取り入れた婚活ビジネスの最前線について話を聞きました。

第4回 次に来るのは客観的な予測ツール?

黒岩さんとの対談を終えて
最新の科学技術を駆使する、婚活システムの世界、いかがだったでしょうか? 何気なくやっている合コンの席替えですが、たった5対5でも90万通りも組み合わせがあると知ってびっくりしました。

最適配置を応用し、コンピューターの計算で両思いほど近くに座れる席替えのシステム、遺伝子での相手の診断・・・みなさんがよく言う「より良い相手」に近づけるシステムはもっと開発されるでしょう。
しかしそれが本当に幸せな結婚につながるかというと、なかなか難しい。科学技術で最適な人はこんな人と教えてもらうことはできても、最適な人はもう結婚しているかもしれないし、ひょっとするとこの世にはいないかもしれない。

婚活はよく「より良い結婚相手を見つける」と表現されがちですが、私は「より良い」という言葉は好きではありません。より良いを突き詰めるときりがなく、それで結婚や出産のチャンスを逃してしまうリスクがあるからです。

やはり人間は「その時々の最適な選択」をしていかないと、前に進むことはできないのです。
今は婚活には個人的な紹介や合コンからビジネスまで、あらゆる出会いの方法がありますが、出会いの幅を広げれば広げるほど、時間、お金、そして精神的なコストも高すぎる。

もっと「最新の科学技術を駆使した効率的な婚活」がないものか? 私は常にそれを探しています。

私が取材する、すご腕の仲人さんは、黒岩さんがコンピューターを駆使して計算していることを「カン」でやってしまいます。最後に黒岩さんが「行動履歴から相性のいい相手を予測する」研究をしていると言っていましたが、まさにそれを知り合いが「手作りマッチング」としてビジネスにしていました。
その会社はイベント合コンの会社で、何回もイベントに出ている人たちはだいたい人となりがわかる。そこで、「合いそうだな」と思う男女を無理やりお見合いさせるそうです。自分の好みや条件で進めると、35歳以上はなかなかカップルにならないので、「勝手仲人」のような1対1の紹介を始めたそうです。なかなかいい感じでカップルになるそうですよ。

しかし、そういったサービスは「人的資源」、つまり経験豊富な仲人に頼るところが多過ぎて、その人がいないと成立しない。だから、仲人さんのカンや経験をシステム化できる黒岩さんのような研究が必要なのです。
「この人があなたに合う人ですよ」という背中押しが、かなり結婚確率を高めます。昔は周りの友人や親などが、そういったお節介を焼いてくれたのですが、今はありません。 だからこそ、匂いや遺伝子、何かの科学的根拠に基づいた相性診断など、人は自分の判断を裏付けてくれる材料がほしいのです。黒岩さんの研究がさらに進むことを、大いに期待しています。





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白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



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黒岩 将
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中

ホープフル・モンスター株式会社代表取締役。 1979年生まれ、大阪出身。近畿大学生物理工学部生物工学科卒業、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中。専門は遺伝的アルゴリズムの実世界問題への応用。08年、同大学院博士課程で最適配置問題や人工知能プログラミングを専門とする武田康臣さんと共に、ベンチャー企業ホープフル・モンスター株式会社を設立。情報科学を生かした婚活支援ビジネスを手がける。「クロイワ・ショウ」の名前で著作活動も。バリ島在住の日本人大富豪を取材し執筆したシリーズ「出稼げば大富豪」(KKロングセラーズ社)がアマゾン総合1位となり、4冊の続刊を重ねている。
ホープフル・モンスター http://hopefulmonster.jp/