白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

今回のテーマは「理数婚活のススメ」。奈良先端科学技術大学院の博士課程に在学しつつ、「席替えシステム」を活用した婚活サービスを提供するベンチャー企業の社長でもある黒岩将さんを招き、科学を取り入れた婚活ビジネスの最前線について話を聞きました。

第3回 最適化を押し進めた先に幸せは来るのか

白河さん そのくらい緩いくくりじゃないと無理でしょうね。それとも「リクナビ」で就職先を探すように、そのうち16歳になったら、みんな「婚ナビ」とかに遺伝子を登録して、ある日突然、紙がぺらっと送られてきて、「この人があなたの最適な結婚相手です」みたいになったりして(笑)。

黒岩さん 「はい、内定!」って。

白河さん その人が嫌いだったら、もうどうすればいいんでしょう。

黒岩さん あらゆるものをコンピュータで処理できる形式を「記号化」というんですけど、これに置き換えるのは難しいのかもしれません。これは、シンボル・グラウンディングと呼ばれ、人工知能の分野では昔から議論されています。だから、お見合いパーティに参加するとか、デートするとか、実際に会ってみることの価値は、これから先も高いと思います。ただ、場当たり的に会うのではなくて、ある程度の幅を持って紹介できれば、と考えています。

白河さん そうですね。まずデートするところからしか始まらないですからね。今、お見合いパーティー、婚活サイトと、出会いの場があり過ぎるじゃないですか。総当たりしていると、お金も時間もかかりすぎる。だから、ある程度の効率化は必要だと思いますが、かといって、「その中でこの人が最適です」とオンリーワンまで絞るのはできない。いろいろ出会う中で、「このへんの人がいいのかな」と。自分の頭の中で「こういう人じゃないとダメ」と考えていても、意外なタイプと気があったりすることもありますし。

黒岩さん ぜんぜんタイプじゃないのに、気づいたらつきあっていることもありますよね。

白河さん そういうのが本当に相性いいのかも。友だちから恋人になって結婚したとか、まさにそうかもしれません。相手は意外に身近にいるのに、気づいていないだけかも。「結婚相手はこうあるべき」「理想の人はこうあるべき」「こういう人以外はイヤ」という思い込みを外したところに、ぽろっと出現するかもしれません。それにはやはり、いろいろな人に会ったりつきあったり、実践しないと身につかない。経験値を上げるためにも、合コンやお見合いパーティーは、ある程度経験したほうがいいのかなと思います。



「第3回 次に来るのは客観的な予測ツール?」へつづく

今週の気になる「お言葉」
異なる免疫系を持つ同士が結婚すると、子どもは多様な免疫系を獲得できる、だから自分と異なる遺伝子を持つ異性の匂いを好む、というものです。

動物的、先天的な要素は大切だと思いますよ。女性は男性の収入を見ますが、高収入の男性と結婚して、浮気されまくりで悩んでいる女性とか見てますもの。

面白かったのは、ある後輩が、外見がぜんぜんタイプじゃないという女の子の匂いを「良い」と報告したことです。

ぜんぜんタイプじゃないのに、気づいたらつきあっていることもありますよね。





写真

白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



写真

黒岩 将
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中

ホープフル・モンスター株式会社代表取締役。 1979年生まれ、大阪出身。近畿大学生物理工学部生物工学科卒業、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中。専門は遺伝的アルゴリズムの実世界問題への応用。08年、同大学院博士課程で最適配置問題や人工知能プログラミングを専門とする武田康臣さんと共に、ベンチャー企業ホープフル・モンスター株式会社を設立。情報科学を生かした婚活支援ビジネスを手がける。「クロイワ・ショウ」の名前で著作活動も。バリ島在住の日本人大富豪を取材し執筆したシリーズ「出稼げば大富豪」(KKロングセラーズ社)がアマゾン総合1位となり、4冊の続刊を重ねている。
ホープフル・モンスター http://hopefulmonster.jp/