白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

今回のテーマは「理数婚活のススメ」。奈良先端科学技術大学院の博士課程に在学しつつ、「席替えシステム」を活用した婚活サービスを提供するベンチャー企業の社長でもある黒岩将さんを招き、科学を取り入れた婚活ビジネスの最前線について話を聞きました。

第3回 最適化を押し進めた先に幸せは来るのか

白河さん だから見た目は当てにならない! ひょっとしたら、匂いがいいなと思った人とつきあったら、うまくいったかもしれない。

黒岩さん そうなんです、相性がいいのかもしれないと。

白河さん それがきっと「肌が合う」ということじゃないかしら。

黒岩さん かもしれないですね。でも、婚活ではそんなこと全く考慮されていないじゃないですか。実はその遺伝子は、3万円くらいで調べられます。

白河さん アメリカではもう実際にやっている?

黒岩さん やってますね。

白河さん 遺伝子診断は日本でもやってくれる機関がありますね。粘膜を郵便で送れば調べてくれるんだけど、遺伝子情報を軽々しく相手に渡すのは危険ですよね。で、その情報を何に役立てているかというと、もともとは遺産相続だったらしいのですが、私が読んだ記事ではガンになる確率とか、就職、婚活となってました。自分にはこんなに優秀な遺伝子がありますよ、病気になりにくいですよということの証明になると。そんな情報を知って、どうしろっていうのか。

黒岩さん 遺伝子の検査ができるのは、国のガイドラインに則った特定の機関のみ。少数しかありませんよ。

白河さん 遺伝子を調べなくても、直感診断は婚活に良さそうですね。例えば、真っ暗な中でペアになって行動して、人の手の感触や嗅覚で判断するとか。

黒岩さん 動物的、先天的な要素は大切だと思いますよ。女性は男性の収入を見ますが、高収入の男性と結婚して、浮気されまくりで悩んでいる女性とか見てますもの。ただ大きな問題は、遺伝子は本人の努力では変えられないこと。「おしゃれにして、人間関係を磨いたらいい人が見つかりますよ」というならいいですけど、「遺伝子は変えられませんから、あなたに合う人はこの世にいません」となったら、ものすごい悲劇を生むじゃないですか。我々、工学部の人間は、最適な相手を探すことにしか興味がないわけです。しかし、本当に進めていいかどうか…。

白河さん たしかに最適化を押し進めたら、「最適な相手はこの世にいません」ということもありますね。だって、最適な相手はもう結婚してることだってありますし。

黒岩さん だから理想的なのは「この人です」というより「こういうカテゴリーの相手です」ではないかと。





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白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



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黒岩 将
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中

ホープフル・モンスター株式会社代表取締役。 1979年生まれ、大阪出身。近畿大学生物理工学部生物工学科卒業、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中。専門は遺伝的アルゴリズムの実世界問題への応用。08年、同大学院博士課程で最適配置問題や人工知能プログラミングを専門とする武田康臣さんと共に、ベンチャー企業ホープフル・モンスター株式会社を設立。情報科学を生かした婚活支援ビジネスを手がける。「クロイワ・ショウ」の名前で著作活動も。バリ島在住の日本人大富豪を取材し執筆したシリーズ「出稼げば大富豪」(KKロングセラーズ社)がアマゾン総合1位となり、4冊の続刊を重ねている。
ホープフル・モンスター http://hopefulmonster.jp/