白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

今回のゲストは、東京大学教養学部付属教養教育高度化機構で教鞭をとる坂口菊恵さん。著書『ナンパを科学する』では、さまざまな科学的データを用いて、進化心理学の領域からナンパや配偶行動を検証して話題になりました。この対談でも、男と女の感じ方の違いや配偶者獲得の戦略について、たっぷりとお話していただきます。

第4回 婚姻システムの意味とは?

坂口先生との対談を終えて
 昔からナンパに無縁の私と、不愉快なナンパに憤り、研究にまで発展させてしまった坂口先生。ナンパされやすい人とされにくい人というのは、ある意味永遠のテーマなのかもしれません。ナンパされない人からすると、ナンパされる人は「モテていいなあ」と見えるのですが、お見合いパーティや合コンなど「合意の上で声をかけられるのを待っている」場所でのナンパと、暗闇からいきなり声をかけられるのではまったく違うのです。

 女性が恐怖にすら感じる『予期せぬナンパ』・・・それなのに、男性はその恐怖がわからない。男と女の感じ方の違いが明確になる、大変勉強になる対談でした。
例えば、女性が仕事上で笑いかけても、相手の男性は「俺に気がある」というセクシャルなサインととってしまう。男性の脳のほうが「都合良く」できているようです。
 しかし、女性の笑顔に対して過剰な反応を示すかと思えば、身近な女性が髪形を変えたことも気がつかない・・・そんな鈍感な面もあります。浮気についても「どこからが浮気か」の線引きは、男と女ではまったく違う。

 「女性は資産狙い、男性は「若い」美女狙い」という身も蓋もない指摘もありましたが、「女性が男性よりも相手の経済力を求めるという性差は、女性に労働市場が解放されている北欧などでは縮まってきています。男女がわりと対等な社会では、パートナーに求めるものの違いは、その差が縮まってくるということです」ともおっしゃっています。

 もともと男と女はこんなに感じ方が違うのですから、『理解しろ』という方が無理。でも違うからこそ、わからないなりに「異性は感じ方が違うのだ」ということだけでも知っておいてほしいものです。「わかってくれるはずだ」は幻想で、言葉のある人間同士はやはり、言葉にして関係を作っていくのです。

 そして好みの異性のタイプも「長期戦略」と「短期戦略」では違ってくる。婚活中の方には大いにヒントになると思います。特に男性で「自分は長期戦略向きの誠実な男だ」と思われる方は、自信を持って、自分の誠実さをわかってもらえるように戦略を練ってくださいね。





写真

白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



写真

坂口菊恵
東京大学 教養学部付属教養教育高度化機構 特任助教

1973年、北海道生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。日本学術振興会特別研究員。上京後、数年間のフリーター生活を経て東京大学に入学し、進化心理学を学ぶ。専修大学、早稲田大学、東京女子大学の非常勤講師を経て、2010年より現職。09年、ヒトの恋愛・性行動にまつわる疑問を進化心理学の視点から検討した著書『ナンパを科学する——ヒトのふたつの性戦略』(東京書籍)を発表して注目を集める。
http://orange.zero.jp/ksakaguti.bird/