白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

今回のテーマは「理数婚活のススメ」。奈良先端科学技術大学院大学の博士課程に在学しつつ、「席替えシステム」を活用した婚活サービスを提供するベンチャー企業の社長でもある黒岩将さんを招き、科学を取り入れた婚活ビジネスの最前線について話を聞きました。

第4回 次に来るのは客観的な予測ツール?

黒岩さんは今、婚活パーティーの前に出会う異性との相性を予測するシステムの開発に取り組んでいるという。客観的なデータから相性のいい相手を予測できれば、お見合いの効率はぐんと上がるはず。「自分で選ぶのに、そろそろ疲れた」という人にも朗報といえそうだ。ただし、相性がいいと紹介された相手が、かならずしも自分を好いてくれる保証はない。そんな悩みを解決するには、やはり一緒に泣き笑いしてみるしかないのかも?

白河さん プロフィール情報から、相性のいい異性を予測できるシステムの研究もしているそうですね。お見合い会社でも、自分の好みや条件を入力すると、それにマッチした相手をコンピュータが探して紹介してくれますが、それとは違うシステムなんですか?

黒岩さん 僕が博士課程で研究しているのは、行動履歴から相性のいい相手を予測するシステムです。基本的なプロフィールを入力してから多くの相手と会い、どういうプロフィールの人に自分がマル、バツを付けたかというデータを取る。人に会えば会うほど、コンピュータの中に異性の選択履歴がたまります。それを統計的に分析すると、「なぜか自分はA型で小柄な女性を選んでいるな」といった傾向が統計的につかめると思っています。

白河さん お見合い会社だと、「あなたの好みのタイプはどういう人ですか」という質問をして答えを入力させるから、そこにその人の恣意が働く。もしかしたら、自分はタイプだと思っているけど、実際は相性がよくない人を申告している可能性も高いわけですね。

黒岩さん 僕のシステムでも頭の中にある理想像を入力させるんです。「こういうタイプが好みです」と。ただそれだけじゃなくて、過去の行動履歴も組み合わせるところが違う。

白河さん つまり、自分が過去、結果的にどういう人を選んできたか、という情報も使う。

黒岩さん そう、その両方を使うんです。自己申告と過去の行動履歴を組み合わせることで、予測精度が上がると思っています。行動履歴を活用する点が従来のシステムとの違いです。

白河さん だけど過去の行動履歴を客観的に判断するには、つきあった相手を連れてきてもらう必要があるのでは? 過去に1~2人しかつきあったことがない人はどうするの?

黒岩さん 僕の会社のシステムを実際に使っていただき、履歴を蓄積してもらいます。デートした時の印象で評価してもらう予定です。

白河さん なるほど。となるとじっくりつきあった時の好みというより、ぱっと見た時の好みがどうかということになりますね。

黒岩さん そうですね。あくまで数時間デートした時の印象でしかありません。

白河さん 相性が予測できるとしても、それが片思いでは、成就しませんよね。

黒岩さん なので、双方向から、お互いが好みのタイプであるかどうかを予測するようにしています。





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白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



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黒岩 将
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中

ホープフル・モンスター株式会社代表取締役。 1979年生まれ、大阪出身。近畿大学生物理工学部生物工学科卒業、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中。専門は遺伝的アルゴリズムの実世界問題への応用。08年、同大学院博士課程で最適配置問題や人工知能プログラミングを専門とする武田康臣さんと共に、ベンチャー企業ホープフル・モンスター株式会社を設立。情報科学を生かした婚活支援ビジネスを手がける。「クロイワ・ショウ」の名前で著作活動も。バリ島在住の日本人大富豪を取材し執筆したシリーズ「出稼げば大富豪」(KKロングセラーズ社)がアマゾン総合1位となり、4冊の続刊を重ねている。
ホープフル・モンスター http://hopefulmonster.jp/