白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

今回のテーマは「理数婚活のススメ」。奈良先端科学技術大学院大学の博士課程に在学しつつ、「席替えシステム」を活用した婚活サービスを提供するベンチャー企業の社長でもある黒岩将さんを招き、科学を取り入れた婚活ビジネスの最前線について話を聞きました。

第2回 無差別席替えのシビアな現実

お見合いパーティーで席替えシステムを使うと、マッチングの効率が良くなる一方で、人気・不人気がはっきりとわかるというシビアな現実もある。カップル成立率を上げるためには、仕方がないこと? 婚活パーティーで誰にも選ばれなかったという現実は、どう受け止めるべきなのか?

白河さん 黒岩さんは大学院の博士課程に在籍しながら、ベンチャー企業も立ち上げています。「ザ・セキガエ」を活用して、お見合いパーティーの企画や運営を手がけていますが、成果はいかがですか?

黒岩さん 自治体や商工会議所が主催するお見合いパーティーを40回くらい経験しています。カップル成立率は平均20%ですが、分散が大きくて、少なくて3%、多くて40%というところです。30対30でカップル成立数が13組ということもあれば、3組ということもありましたが、その3組はぜんぶ結婚したので、カップル成立数が低いからといって、それが良くないとは簡単には判断できませんね。

白河さん 席替えシステムを使うと、特定の人に人気が集中するという問題はありませんか?

黒岩さん 思い切りあります。1人の女性の周りが男だらけとか。

白河さん 席替えして、男女男女に並ぶわけではないんですか。

黒岩さん 何も考えずに席配置を計算すると、人気のある女性に男性が集中するような席配置が素直に求まっちゃいます。合コンならまだしも、お見合いパーティーだと、これじゃ男性はつまらないし、女性も人気のない人ほど端に追いやられる。「何しに来たのかわからない」と、ショックを受けている顔を僕は何回か見ました。これはマズい、お金とって悲しませているよと。

白河さん 顧客不満足度が上がっちゃいますね。

黒岩さん ほんまに泣く勢いで「お金を払って傷つきに来たんじゃありません」とアンケートに書かれたこともあります。それで今は、テーブルごとに男女を同数座らせるという条件を入れています。こうすると、1回の席替えでは全員の希望を満足させることができません。でも、傷つく人はいなくなります。現状は、この男女同数制限席替えを3回繰り返し、この問題を解決しています。





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白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



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黒岩 将
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中

ホープフル・モンスター株式会社代表取締役。 1979年生まれ、大阪出身。近畿大学生物理工学部生物工学科卒業、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士課程在学中。専門は遺伝的アルゴリズムの実世界問題への応用。08年、同大学院博士課程で最適配置問題や人工知能プログラミングを専門とする武田康臣さんと共に、ベンチャー企業ホープフル・モンスター株式会社を設立。情報科学を生かした婚活支援ビジネスを手がける。「クロイワ・ショウ」の名前で著作活動も。バリ島在住の日本人大富豪を取材し執筆したシリーズ「出稼げば大富豪」(KKロングセラーズ社)がアマゾン総合1位となり、4冊の続刊を重ねている。
ホープフル・モンスター http://hopefulmonster.jp/