白河桃子の恋愛サイエンスカフェ

ゲストは早稲田大学教授の森川友義さん。早稲田大学130年の歴史上初という「恋愛学」の講座を担当し、学生たちに大人気を博しています。「恋愛とは広義の意味で政治。男女の駆け引きであり、誰でも政治脳を駆使している」と森川さん。辛口のコメントは胸にぐさりと突き刺さるけれど、頭を政治脳に切り替えて、恋愛と結婚を見てみませんか。新たな発見があるはずです。

第1回 大学で「恋愛学」を教える意義

森川先生 学歴、収入にもう一つ、身長も加わって、自分を基準にして、それより背の高い人がいいと。要するに、従来言われていた「3高」を望む傾向があるということですね。

白河さん 今は自分たち自身が「3高女子」な人も増えていますからね。

森川先生 よい大学を出て、よりよい収入を得て、栄養が行き渡って身長が高くなる。男性にとってひとつの成功シンボルが女性に移行した時、かならずしもそれはプラスに作用しない。そこが問題です。

白河さん 本当にそうです。婚活の相談に来る女性には「東大卒、33歳、公認会計士」というようなケースもあります。男性だったら、女の子がひれ伏してお嫁に行きたいというパターン。でも絶対に、逆は起こらないのが日本なんですよね。

森川先生 今の例のような高学歴女性がどういう男性と付きあうかというと、例えばフリーのカメラマンとか、業界のまったく違う人だったりしませんか。

白河さん そういった気づきのある女性は結婚しています。自分は女性として「高収入」「高学歴」であることはかならずしもプラスではないと自覚をして、ちゃんと転換すればいいんですね。転換して違うところを見ればいいのですが、現実にはなかなか見ようとしないんです。

森川先生 もう一つの側面を加えましょう。恋愛感情とは、あくまでも進化の過程で繁殖行為を行うために作り出された情動の一つです。生物という側面から考えると、生殖力は非常に大きな意味合いを持ちます。女性における生殖力のピークは19歳~20歳。そこからは徐々に下がっていきます。つまり、大学を出て社会でバリバリ働く間に、男性に好まれる生物としての資質は下降路線をたどるというのが現実です。

白河さん 生物としての評価といわれてしまうと、たしかにおっしゃる通りなのですけれど……。

森川先生 自分の食料獲得能力は上がり、男性を見る目も肥えて望みは高くなる。それと反比例して、女性としての魅力は落ちていってしまう。このギャップが大きいのではないですか。

白河さん 森川先生、そんな厳しいことを女性たちに言ってるんですか。反応はどうなんですか。

森川先生 恋愛学講座の受講生は20歳前後の大学生ですので、しっかり聞いていただけていますが。

白河さん アラサー、アラフォーの女性たちにも同じように話すのですか?

森川先生 講演会に呼ばれて話すことがあります。厳しいですけれど、自分の生物としての評価、恋愛・結婚市場における自分の商品価値を認めていただかないと、次のステップにいけないと思います。男性が引いてしまうくらいの素晴らしい資質を持っている、自分の望みも高い、という状況では、素敵な恋愛、素敵な結婚は難しいと思われますが、どうでしょうか。

白河さん きつい言葉だなあ……。

森川先生 残念ながら理論的にはそのようになるということです。

白河さん 私は、高学歴女性には、なるべく学生時代に相手を見つけたほうがいいとアドバイスしています。社会に出ると、自分が早稲田なら早稲田を出た人となかなか出会えませんが、学生時代ならまわりじゅう早稲田ですからね。すでに社会に出ている女性には、学歴にこだわらないで、年下や全く分野が違う人、例えば芸術分野で仕事をしている人はどうかと、取材実例を出してアドバイスしています。

森川先生 「恋愛市場」では男女ともに、よりよい買い物をしようと一生懸命です。魅力度の高い相手を買うためには、自分の商品価値を正確に把握して、価値の高いうちに、高く売ることが必要ではないですか。

白河さん ああ、厳しい。先生は正攻法、私は抜け道を教える、とアプローチは違っても、言いたいことは似ているのかもしれませんね。



「第2回 恋愛も『交渉術』で勝つ!」へつづく

今週の気になる「お言葉」
■私の意見は、高学歴女子は「欲が多すぎる」(笑)

■よい大学を出て、よりよい収入を得て、栄養が行き渡って身長が高くなる。男性にとってひとつの成功シンボルが女性に移行した時、かならずしもそれはプラスに作用しない。

■自分の食糧獲得能力は上がり、男性を見る目も肥えて望みは高くなる。それと反比例して、女性としての魅力は落ちていってしまう。

■「恋愛市場」では男女ともに、よりよい買い物をしようと一生懸命です。魅力度の高い相手を買うためには、自分の商品価値を正確に把握して、価値の高いうちに、高く売ることが必要。





写真

白河桃子
ジャーナリスト&
ライター

家族社会学会会員。慶應義塾大学文学部卒業後、大手商社に入社。外資系証券会社を経てジャーナリスト、ライターとして活躍。「プレジデント」「日経ビジネスオンライン」、「婦人公論」など多数の女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代』は19万部のヒットに。著書に『キャリモテの時代』ほか、最新著書に『セレブ妻になれる人、なれない人』がある。
ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/



写真

森川友義
早稲田大学国際教養学部 教授

早稲田大学政治経済学部政治学科卒、ボストン大学政治学部修士号、オレゴン大学政治学部博士号取得。国連開発計画(UNDP)、国際農業開発基金(IFAD)など国連専門機関に10年勤務。アイダホ州ルイス・クラーク大学助教授、オレゴン大学客員准教授などを経て、現職。専門分野は進化政治学、国際関係論、日本政治。2008年より早稲田大学にて「恋愛学入門」を開講。恋愛学に関する主な著書に『いますぐカレと結婚!』(講談社)、『なぜ日本にはいい男がいないのか21の理由』(ディスカヴァー21)などがある。
公式サイト http://www.justmystage.com/home/tmorikawa/