恋するオトコのヒット法則

第2回:結婚条件は“3高”から“3合”の時代へ!

女性は将来の“安心・安定”をにぎりたい

おや、なんだい? この段ボール箱の山は…?

これ、いま流行りのダイエット食品なんです! 通販カタログを見ていたら、つい欲しくなっちゃって…。

君が衝動買いしてしまうなんて、よっぽど宣伝文句が魅力的だったんだろうね。どれどれ…。「毎日コーヒー1杯の値段で、いつも食べているご飯に混ぜるだけ! 脂肪の燃焼率が上がり、2週間後に体脂肪率が●%減少します!」か…。うんうん、世の男性諸君も、女性に対してこれくらい上手に自己紹介をしてほしいものだね。

…え、どういうことですか?

中身を知らない消費者にとって、商品を選ぶ手がかりはキャッチコピーや宣伝文句、店頭POPといった
“第一印象”しかないよね。それらが、消費者の求めるニーズをうまく満たすように表現されていると、「買いたいな」と思わせることができる。これは、男女の出会いでも同じなんだ。

なるほど、相手に「お付き合いしたいな」と思わせるどうかは、“第一印象”で決まってしまうということですね?

その通り! 婚活パーティーの自己紹介や、マッチングサービスのプロフィール欄、あるいは友人に女性を紹介されたときの初対面のあいさつなど、相手に自分の第一印象をプレゼンするチャンスはさまざま。だけど、限られた時間やスペースで自分を売り込むためには、「女性が交際相手に求める条件」を知ったうえで、それを満たすように好印象を与える、ちょっとしたコツがあるんだ。ここで、youbrideの会員のみなさんにご協力いただいたアンケートの結果(図1)を見てみようか。

これは、「趣味や余暇の過ごし方」「仕事やキャリアへの考え方」など10項目について、自分と交際相手の考え方が同じ(似ている)であることがどれくらい重要だと考えているか、男女それぞれに回答してもらったものですね。

たとえば、交際相手の「仕事やキャリアへの考え方」が、自分と同じであることを「とても重要」と答えた人の割合は、男性では10.9%なのに対して、女性は20.9%と2倍もの開きがあるね。

男女間で、交際相手に求める条件の重要度には、意識の差があるということですね。

男性はどの項目についても「まあまあ重要」や「ふつう」が多いのに対して、女性は「とても重要」に票が集中する傾向にあったんだ。

とくに「経済的価値観」「恋愛観・結婚観」「将来へのビジョン」の3項目は、「とても重要」と答えた女性の割合が、男性よりも突出して多くなっています。

男性は、交際相手の条件について、あまりきちんと優先順位を考えていないのかもしれないね。ほら、男って付き合ううちに好きになっていっちゃうような、いいかげんな生き物だから(笑)。

それに対して女性は、生涯をともに過ごす“たった一人の相手”と出会いたい、という気持ちが男性より強いですからね。出会う前から条件をきちんと吟味して、事前に合意したうえでお付き合いしたいと考えている人が多いんです。

広告業界の用語では、これを「にぎる(合意を得る、根回しを取り付ける)」と言うんだ。重要度が高かった「経済的価値観」「恋愛観・結婚観」「将来へのビジョン」の3項目は、いずれも“いま”だけでなく、“将来”の信頼・安定を確約してくれる要素。女性は、付き合った後のこと、結婚した後の生活まで事前に“にぎっておきたい”と考えているんだね。

つまり、男性は「経済的価値観」「恋愛観・結婚観」「将来へのビジョン」の3項目について、具体的にイメージしてもらえるような自己紹介やプロフィールを考えるといいってことですね?

ザッツライト! ちなみにニッシー、冒頭のダイエット食品をキミがなぜつい買ってしまったのか。宣伝文句を読みながら、その理由を考えてごらん?

それは…「コーヒー1杯の値段」なら金銭的にも苦にならないし(=経済的価値観)、「ご飯に混ぜるだけ」だから面倒くさがりの私でも続けられる(=ダイエット観)かなと思って。それに、「2週間後に体脂肪率が●%減少」っていう具体的な効果が想像できた(=将来へのビジョン)のも魅力的だったし。…あ、3項目がすべて網羅されてる!

でしょ? 女性が求めているものをメッセージに織り込むと、グッと説得力が増すんだね。次回は、youbrideの会員男性の実例をもとに、“女性からモテるプロフィール”の具体的な特徴を分析していこうか。

(編集:福田フクスケ、イラストレーター:ながれださわ)



プロフィール

ヨツモト先生
筑波大学大学院客員准教授。神奈川県横浜市生まれ。東京大学工学部化学工学科卒業。大手飲料メーカーを経て現在は大手広告代理店勤務。主たる専門領域は、消費心理・動向分析、地域ブランド開発、ワークショップファシリテーション。
ニシイ助手
大手広告代理店のマーケティング部門で、10〜20代の若年層を中心にしたプロジェクトメンバー。リサーチからプランニングまで幅広い商品開発やコミュニケーション戦略立案などを手掛ける。